臓器提供の意思表示をしていますか?臓器提供意思表示カードを持っていますか?

ボランティア

あなたは、臓器提供の意思表示をしていますか?
あなたのご家族は、臓器提供についての意思表示をしていますか?
そして、その意思表示を家族に伝えていますか?

ICUで勤務していた時に、突然、脳死の状態ですと伝えられたご家族が、判断に困ってしまう場面にたくさん立ち会いました。
本人が意思表示カードに臓器提供を希望することを明記していても、ご家族との共通認識がなかったので、ご家族が臓器提供を拒否するという場面もありました。
あなた自身の臓器提供の意思表示を明記しておくことも大切ですが、臓器提供の判断をしなければいけないのは家族なのです。
家族と共通認識をもっていないと、あなたが表示した意思が、実現しない可能性もあるのです。

もちろん、そのような事態が起こらないほうが良いですが、誰にでも、その時は突然訪れる可能性があります。
「元気なうちに、どうしてほしいか聞いておけばよかった」
と、ご家族がおっしゃる場面をたくさん見てきました。
そうなってからでは、聞けないので、今、元気だからこそ、ご家族と話してみてもらいたいです。

臓器提供とは?

脳死後あるいは心臓が停止した死後に、臓器提供することができます。
2010年の法改正後から、生前に本人が意思表示をしていた場合に加えて、本人の意思が不明であっても、ご家族の了承があれば、臓器提供をすることができるようになりました。
「臓器提供する」という意思表示をすることを、「臓器提供の意思表示」だと認識している人も多いです。

「臓器提供する」「臓器提供しない」のどちらかを意思表示することが、「臓器提供の意思表示」なのです。

もっと言えば、「この臓器は提供していい」「この臓器は提供したくない」なども、「臓器提供の意思表示」として、明記できます。

提供できる臓器

脳死後に提供できる臓器

心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球

心臓が停止した死後に提供できる臓器

腎臓・膵臓・眼球

「脳死」とは、脳幹(循環・呼吸の機能を調整し、生命を維持するために必要な働きを司っている部分)を含めた脳全体の機能が失われてしまっている状態です。
脳幹の機能が失われると、回復する可能性はありません。
よく耳にする「植物状態」とは全く違う状態であり、「植物状態」は、脳幹の機能が残っていて、自発呼吸は保たれます。
「脳死」については、国によって定義が異なります。

どんな意思表示の方法があるの?

臓器提供の意思表示カードの存在は知っていても記載したことがないという方や、健康保険証や運転免許証の裏に記載欄があることを知らない方が、私の周りにもたくさんいました。

1.インターネットによる登録

日本臓器移植ネットワークの臓器提供意思登録サイトで、意思を登録することができます。
登録すると、ID番号の入った登録カードが送られてくるので、直筆サインをして保有しておきます。このカードが届いたら、再度、登録サイトで本登録を行います。
一年以内に本登録をしないと、情報は削除されてしまうので、必ず本登録を完了させましょう。

2.健康保険証・運転免許証・マイナンバーカードへの記載

健康保険証や運転免許証は、裏面に記載欄があります。
マイナンバーカードは、表面の下の方に記載欄があります。
お持ちのものを確認してみてください。

3.意思表示カードへの記入

インターネットで登録できない方や、運転免許証やマイナンバーカードを持っていない方、健康保険証に意思表示欄がない方(改訂前のものをお持ちの場合は、意思表示欄がないです)は、「臓器提供意思表示カード」に記入して所有することができます。
「臓器提供意思表示カード」は、市区町村の窓口、一部の病院、イオン店舗などに設置されているリーフレットを探してみてください。リーフレットからカードを切り離して携帯できるようになっています。

意思表示欄の記載方法

1.「私は、脳死後及び心臓が停止した死後のいずれでも、移植の為に臓器を提供します」

「脳死」は、心臓は停止していないけれど、上述したように脳幹の機能を失っている状態です。
「心臓が停止した死後」とは、世間一般的に「死亡」とされる状態です。
どちらの場合も、臓器提供を希望する場合には、この「1」に○をします。

「脳死」の状態では、まだ心臓が停止していないため、体が温かく、外観上は眠っているようにしか見えないので、その状態で臓器を取り出す判断をしなければいけないことに抵抗を感じる方もいることは事実です。
医療職者や身近に脳死した方がいらっしゃる方でなければ、「脳死」をイメージするのが難しいかもしれません。

臓器提供について考えるにあたって、関心を持ってもらえたらと思います。

2.「私は、心臓が停止した死後に限り、移植の為に臓器を提供します。」

「脳死」時には臓器提供は希望せず、「心臓が停止した死亡」の際には臓器提供を希望する場合は、この「2」に○をします。

3.「私は、臓器提供しません。」

いかなる場合も臓器提供を希望されない場合は、この「3」に○をします。

※「1」または「2」を選んだ方は、提供したくない臓器があれば、臓器名に×をつけることができます。

親族優先提供を知っていますか?

第三者への臓器提供よりも親族への臓器提供を優先したい場合は、その意思表示も明記できます。希望される方は、特記欄に記載してください。
親族への優先提供が行われるには、条件があります。

1.本人(15歳以上)が、臓器を提供する意思表示に併せて、親族への優先提供の意思を書面により表示している。
2.臓器提供の際、親族(婚姻届を提出している配偶者、子ども、父母、特別養子縁組による養子・養父母)が、移植希望登録をしている。
3.医学的な条件(適合条件)を満たしている。

このすべての条件を満たしている必要があります。
ただし、「○○さんだけにしか提供したくない」という提供先を限定した意思表示があった場合には、臓器提供が行われなくなります。また、親族提供を目的とした自殺を防ぐためにも、自殺した方からの親族への臓器提供は行われません。

本人署名と家族署名

あなた自身の臓器提供の選択をする時というのは、あなた自身には意識がなく、家族が判断しなければいけない時です。

あなた自身が、臓器提供についてどのように考えているのか、もしもの時はどんな判断をしてもらえると嬉しいかなどを、判断をすることになる家族に伝えて共通認識をもっていてもらうことも大切です。

冒頭で紹介したように、医師から臓器提供という道があると説明されたときに、本人の意思がわからないために、家族が判断に困ることがあります。本人が意思表示カードに記載していても、ご家族がそのことを知らず、ご家族が提供したくないという判断をすることもあります。

死生観や臓器移植については、元気に暮らしていると話題にならないかもしれませんが、だからこそ、自分の意思を自分で伝えられる時に、ご家族と話してみてください。

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