友人(女性)が手術のために入院しました。
入院前の通院での検査段階から、友人からたびたび相談を受けていました。
退院後にも友人から相談を受けたのですが、
驚きを隠せません。
同じ看護師という職についている身として、謝罪したくなるくらい。
友人が経験したことは、もしかしたら、他にも大勢の患者さんが感じていることかもしれないので、友人に協力してもらって、この記事に残すことにしました。
編集は私が行いましたが、友人本人の言葉をそのまま書きたいと思います。
医療に携わるみなさんに、ぜひ読んでいただきたいです。
入院前の受診
私は、持病があるので定期的に受診しています。
今回は、持病の検査を受けている中で、違う疾患が発覚し、手術を受けることになりました。
幼い頃から学生時代まで入退院を繰り返していたので、入院にはあまり抵抗がなく、ましてやかかりつけの病院なので、なんの不安もなく、、、のはずでした。
何度か精密検査を受けていくなかで、
「やはり開腹手術でしょう。」
「今の段階では腹腔鏡手術でしょう。」
と、内科と外科のドクターの意見が分かれます。
答えが出ないまま、診察が終了します。
入院手続きにあたっての歯科受診時に、入院に関することを歯科ドクターから質問されましたが、外来受診時には聞かされていないことだったので、答えられませんでした。
この段階で感じたことは、
1人の患者に対して、それぞれの分野の担当に話が通っていないんだな
しかし「先生方も忙しいから」と、気を取り直しすようにしていました。
入院中
入院中に感じたことは、大きく2つ。
例え術後であろうと、なにもかも自分のことは自分でやらなければいけないのか
ということと、
男性ナースやドクターの配慮のなさ
「自分の事は自分で」
入院時オリエンテーション
「術後に熱が出た場合は、ここにあるもの(アイスノン)を使ってください」
「患者衣の洗濯物はここに入れてください」
と、説明されました。
手術の後に熱が出ても、自分で取りに来なきゃいけないのか。
「ナースさんも忙しいから」と考え直す。
術後の食事
手術が無事に終わり、術後1食目の食事。
術後ですから、当たり前ですが胃は空っぽです。
病室に届いた食事は、なんと、
「カレーライス」
でした。
「お粥」もしくは「重湯」を想像していたので、とても驚きました。
「さすがに、これは食べれません」
と、担当の男性ナースに伝えると、
「食べれませんか〜。カレーライス、、、ですもんねぇ」
術後にカレーライスって、あまりにもヘビーで、間違って出してしまったのかなと思っていたら、
「土曜日なんで〜」と。
きっと、術後ではない患者さんからしたら、「土曜日のランチはご褒美的なカレーライス」なのかもしれないけれど、
術後ということは、胃腸をいたわりながら食事を徐々に普通食に戻すものではないのでしょうか?
ましてや消化管の術後。
「術後なので、お粥にして下さい」と自分で伝えなきゃいけなかったのか。
この病院では。
なぜハッキリとそれが言えるかというと、退院するまで、それからずっと、お粥だったからです。
プライバシーの保護
希望を聞かれたから、女性ナースにお願いしたのに
入院2日目に、
術後の清拭や膀胱留置カテーテルの抜去時の配慮として、
「男性ナースがしても大丈夫ですか?それとも女性ナースが良いですか?」
と聞かれました。
こちらにいる男性ナースのみなさんは、とても親切です。
でも、やはり清拭や膀胱留置カテーテルの抜去などは、女性ナースが良いとお願いをしました。
手術が終わり、病状が安定した頃、
親切な担当の男性ナースナースさんが、
「体を拭く事と、尿の管を抜く事、ぼくがやってもいいですか?」
と言われ、
「前に女性ナースさんにお願いしました。」と言うと、
男性ナースさんは「わかりました。ですが、もしかしたら僕もヘルプで入るかもしれません。」
・・・・・・。
それなら女性に頼んだ意味が無いんです。
回診で戒められる
今、思い出しても、悲しい気持ちになります。
入院を何度もしている私にしたら、回診で何をするかぐらいは知っています。
ちょうど、年度の変わり目ということもあったのか、新人のドクター達と教授が回診にきました。
15人は軽くいたと思いますが、
ナースさんがいない中(本当にいなかったのか紛れていたのか不確か)、
私の患者衣を開けて、
冗談を含む、実際の病気の話ではない事を長々と話していました。
胸にタオルを当てるわけでもなく。
(退院後、いろんな医療職者にこの話をすると、考えられないと言いました。)
私の年齢(50代前半)を考えても、
病気や手術の行程を考えても、
見慣れている胸を見ても何も思わないのかもしれませんが、
たくさんの新人のドクター達の目線と教授を見ていたら、
その間、ずっと、戒められているとしか感じませんでした。
なにをするにも患者衣全開
回診以外にも、
聴診器を当てる男性ナースさんや、傷口を見にきたドクターも、
患者衣を全開でしていました。
それが普通ですか?
処置の説明もされずに、突然聴診器を当てたり、傷口を見たりしますか?
無事に滞りなく退院できたことは、ドクターやナースさん、皆様に感謝しますが、入院中にはこういうストレスがたくさんありました。
とにかく私が感じた一番は、
「配慮がない病院」でした。
友人の経験から医療職者が考えなければいけないこと
「え。ありえない。」
と思う人と、
「あー、これはよくあるよね。」
と思う人がいるかもしれません。
前者だったとしても、もしかしたら、他のことで患者さんに不快な思いをさせてしまっていることがあるかもしれません。
私たち医療職者は、もしかしたら麻痺してしまっている感覚があるのかもしれません。
最近、同僚と、「患者さんにとっての生活の場であるということを忘れてしまっている医療職者が多い気がする」という話をしていました。
私たちからすると「職場」になってしまっていて、そこが、入院中の患者さんの「生活の場」であり、「人生の一部」であるということを、忘れてしまう。
この友人の経験は、ケーススタディーしようと思ったらいくらでもできるくらい、たくさんの検討事項がありますよね。
それぞれの職種として、個人として、チームとして、考えるきっかけになってもらえたらと思います。
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