「スケッターで職員採用に繋がった事例」介護施設間のzoom交流会レポート

ボランティア

プログラム
1.これからのスケッターのプレゼンテーション
2.参加施設代表者の自己紹介
3.スケッターを活用して得られた効果や採用に繋がったポイントなど情報共有・意見交換

参加施設担当者
・特別養護老人ホームヒルズ桜栄鎌倉(神奈川) 清水 由佳さん
・ショートステイ輪(秋田) 阿波野 聖一さん
・看護小規模多機能型居宅介護 つついの杜(兵庫) 髙橋 優太さん
・日本ホスピスホールディングス株式会社(東京) 三重野 真さん
・NPO法人タダカヨ(東京) 佐藤 拡史さん

「Sketter」とは?

介護職の資格の有無に関わらず、いろんな人が介護施設の助っ人ができる仕組みを作り、介護業界に関わる人を増やそう!という、これからの時代に不可欠な考え方を展開している。

スケッターとして活動している人の約60%は、介護未経験者。そして20代が多く、まずは気軽に関わることができるツールとなってきている。

「人材紹介や派遣に頼る時代ではない。関わり方改革によって、令和時代の新しい仲間集め」

スケッターの特徴の一つとして、スケッターとして来てくれた人が採用に至った場合、採用手数料がかからないということがある。スケッターを活用して施設でお仕事をしたことのある方を採用するので、ミスマッチが起こらないのだ。

参加した施設の自己紹介

(①スケッターを活用するに至った経緯 ②活用事例)

1.看護小規模多機能型居宅介護 つついの杜(兵庫) 髙橋 優太さん

https://asukacarelife.co.jp/index.html
①介護職が4人退職し、看護師が介護業務をやらなければいけなくなっていたときに、Twitterでスケッターを発見した。
②1~2ヶ月で、6人ほどがスケッターとして来てくれた。そのうちの看護学生2人がアルバイトとして採用に至った。入浴介助や送迎の補助を行っている。

2.NPO法人タダカヨ(東京) 佐藤 拡史さん

https://mmky310.info/
①これからの時代に絶対必要なものであり、スケッターを応援したい。自分がスケッターとして働いてみたのちに、依頼する側となった。
②介護の情報サイトの事務作業をスケッターに依頼し、全てリモートワークで完了している。

3.特別養護老人ホームヒルズ桜栄鎌倉(神奈川) 清水 由佳さん

http://www.oafukushi.org/
①スケッターからの電話で、スケッターというものを知った。
②介護職員募集のツールとして活用し、10人ほどマッチングした。その中から非常勤での採用が1人決まり、リピーターもいる。
スケッターからの評価が、スタッフへのプラスのフィードバックになっていると感じている。

4.日本ホスピスホールディングス株式会社(東京) 三重野 真さん

https://www.jhospice.co.jp/ja/index.html
②まだ活用には至っていないが、人の役に立ちたいというマインドを持っている若い世代に、スケッターは刺さるのではと思っている。

5.ショートステイ輪(秋田) 阿波野 聖一さん

https://rin-sousei.com/
①プラスロボ社長の鈴木さんのスケッターへの思いを綴ったツイートを見かけて、すぐにメッセージを送ったことが始まり。これを秋田でやったらすごいことになる!!と思い、しかしすぐに秋田に来てもらえる人を探すのは難しいので、リモートスケッターから開始した。
②これまでに60件ほどマッチングしている。zoom座談会・オンライン花見・行事の手伝い・雪かきなど、様々なお仕事が成立している。

採用につながるのは難しいと思われていた秋田で、リモートスケッターから移住に至った事例

ショートステイ輪~りん~では、新型コロナウイルスの流行により行事開催が難しくなったため、外出の行事の代わりに、桜の綺麗な場所に出向いたスケッターとzoomで中継しオンライン花見をするという企画を行った。このお仕事に参加したスケッターが、関東から移住してショートステイ輪~りん~で働いている。

阿波野さんは、まさに「関わり方改革」だと話す。まず、いきなり秋田に来て仕事をしてもらうということが難しいので、zoomでの座談会を頻繁に開催した。

私もこの座談会に参加したことがあり、阿波野さんの思いやエネルギーを感じ、一度参加しただけでも、この方と関わり続けたいと思った。そう思った方がたくさんいるはず。

一見、採用とは関係ないように見えるzoom座談会だが、関わる回数を増やすことで「秋田に行ってみたい」「阿波野さんと会ってみたい」「阿波野さんのもとで働きたい」という感情が生まれる。

この事例から、スケッター登録者が関東圏に多いので地方での活用は難しいということではないとわかる。「介護職の人手不足を解消するために」を従来の方法から一度離れて柔軟に考えることで、スケッターを活用した介護職の採用の可能性はまだまだ眠っていると思う。

スケッターを導入するにあたって、現在のスタッフへの配慮も必要

新たな試みを導入するということは、現場のスタッフの理解を得ることが必要となる。

スケッターを活用して人員不足を解消したいということは、人員が少ないから人を呼びたい、だけど人が少ないからこそ不慣れな人が来ても教える余裕がない、という状況にある。

スケッターは、介護職未経験者が来ることもある。これは、短絡的に今の人員を補充するためではなく、長期的に介護事業に関わる人を増やすことで、これからの介護事業の人員不足の解消につなげていくためである。しかし現場のスタッフは、今、人手が欲しい。スケッターの理念を理解してもらえないと、「なぜ何もできない人に来てもらうのか」「なぜ人がいない中で教えなければいけないのか」という不満につながってしまうケースもあるようだ。

この課題に対する実践例

この課題に対し、ショートステイ輪~りん~では、スタッフにもなぜスケッターを使うのかをシェアし、ウェルカムな雰囲気を作ることにも尽力している。高齢化No.1の秋田での人手不足は深刻であり、スケッター導入前から、介護職がやるべきことと、介護職じゃなくてもいいこと(掃除や洗濯など)に、業務を仕分けするという作業をしていた。この、介護職じゃなくてもいいことをスケッターに依頼というという流れを作ることで、スタッフも「それをやってもらえるならありがたい」というマインドになる。

特別養護老人ホームヒルズ桜栄鎌倉では、介護職ではない方にも仕事を依頼することになるので、仕事内容の検討を行った。利用者さんに直接介護をすることは、何かが起きたときの責任問題にもなる。そこで、介護助手と同じような内容でのお仕事依頼をすることとした。介護はスタッフ、生活援助(掃除・リネン交換・消毒作業・配膳・食器洗い等)の一部をスケッター。これにより「業務を教えなきゃいけない」ということはスケッターに頼まず、「やってくれてありがとう」となることをスケッターに依頼している。その結果、現場の負担軽減のためにスケッターに来てもらっているということが明確になっている。

看護学生のスケッター

看護小規模多機能型居宅介護つついの杜では、看護学生2人がアルバイト採用につながった。

新型コロナウイルスの影響で、実習がオンラインや課題提出に置き換えられている看護学生が多い。スケッターとして介護施設に行くことで、看護師や介護士からケアを教えてもらえたり、実習でリアルな関わりができないので良い機会になるなど、看護学生がスケッターになることで何を得られるかが大事である。

私自身も、看護学生時代に脳性麻痺の方の居宅ヘルパーを経験している。授業や実習では経験できないような実践や、ケアを受ける立場の方の生の声を聞ける機会にもなり、貴重な体験だった。医療職や福祉職の学生スケッターはとても意義のある活用方法である。

柔軟な発想でスケッターを活用することで、可能性は未知数である。

複業が当たり前の時代、多様性が尊重される時代になっているが、福祉業界でのイノベーションがとても遅いことは、この記事を読んでいる方も感じているでしょう。

スケッター登録をしている人は、「介護に興味がある」「人の役に立ちたい」「ギグワークしたい」という動機だけではなく、「特技を活かしてこんなことができる」「介護の現場でこんなことしたら面白い」というアイディアを持っている。スケッターを活用している介護施設は、失敗談も成功談も持っている。

まずはzoom座談会に参加してみる、スケッターを活用している介護施設やスケッターアンバサダーにSNSでコンタクトをとってみるなど、リアルなスケッターの現場の声を聞いてみてはいかがでしょうか。

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