飲酒が多い季節に活用したい「ウコン」。なぜ二日酔いしないの?なぜアルコールには「ウコン」がいいの?

気ままなコラム

飲み会シーズンによく見かける「ウコン」
とりあえず「ウコン」になっていませんか?
どんな「ウコン」なのかによって、飲む目的が果たされないものもあるんですよ。
ご存知ですか?

アルコールを摂取すると、体内ではどんなことが起きているの?

アルコールを飲むと、胃から20%、小腸から80%を吸収して、そのほとんどは肝臓に運ばれて処理されます。
ADH(アルコール脱水酵素)やMEOS(ミクロゾームエタノール酸化系)によって分解されて、アセトアルデヒドになります。
このアセトアルデヒドが、アルコールを過剰に飲んだ時に生じる頭痛・動悸・嘔気などの原因となるのです。
アセトアルデヒドは、ALDH(アルデヒド脱水酵素)によって酢酸に分解され、その後に水と二酸化炭素に分解されて尿、汗、呼気で排泄されます。

アセトアルデヒドに注目して図にすると、

アセトアルデヒドの分解が遅いと、少量の飲酒でも、顔が赤くなる、吐き気がする、動悸がする、眠くなるなどのフラッシング反応を起こし、比較的少ない量の飲酒でも二日酔いになったりもします。

動物実験では、このアセトアルデヒドが発癌性があることがわかり、また、アルコール性臓器障害の発生にも関連性があるとされています。

肝臓でのアルコール分解能力には個人差があるので、分解能力が高くないのに、飲酒頻度が多い状態、または飲酒量が多い状態では、肝臓にものすごく負担がかかります。
肝臓は、ヒトの臓器の中でも、多くの役割を担っている臓器ですが、「沈黙の臓器」とも呼ばれていて、異常が生じても症状として現れないことが多いので、異常があるとわかった時にはもうかなり肝障害が進行しているということが多くあります。

アルコールには「ウコン」。それは、なぜ?

ウコンってなに?

ショウガ科ウコン属の多年草
英語名では「ターメリック」
「春ウコン」「秋ウコン」「紫ウコン」と種類があり、それぞれの主成分が違うので主用途も異なります。

★秋ウコン

7月〜9月に、白い花を咲かせます。
クルクミンが豊富なことが有名ですが、春ウコンの10倍以上と言われています。
食用(カレーなどの香辛料、食用色素など)や染料として使用されています。

★春ウコン

4月〜6月に、ピンク色の花を咲かせます。
苦味と辛味が強く、食用には不向きなので、健康食品に使われています。
クルクミンは秋ウコンに比べると少ないですが、精油成分(動脈硬化予防やコレステロールの分解の作用がある)やミネラルが豊富

★紫ウコン

クルクミン含有量が少ないため、根茎を切ると、「ウコン」から連想させるような黄色ではなく、紫色に見えることがから、「紫ウコン」と呼ばれます。
100種類以上の精油成分を含有していて、老廃物の排泄作用や抗酸化作用が注目されています。

アルコールとウコンの関連

ウコンは、肝機能を促進させる作用があるとして、古くから民間療法的に活用されてきました。
上記したように、「ウコン」と一言で言っても、種類によって主成分が全く異なります。

「お酒を飲む時はウコン」と言われているのは、「秋ウコン」に多く含まれる「クルクミン」の作用によるものなのです。

クルクミン

クルクミンは、ポリフェノールに分類されるファイトケミカルス

クルクミンには、アセトアルデヒド(アルコールの分解過程で発生し、頭痛・吐き気・二日酔いなどの症状を引き起こす)の分解を促進する作用があります。
アセトアルデヒドの分解が促進されるので、「ウコンを飲むと二日酔いしにくい」「ウコンを飲むと悪酔いしない」という現象が起きるのです。
胆汁分泌促進作用や、消化管蠕動運動促進作用もあるため、飲酒前に摂取することが望ましいです。

★アルコールの分解には、ビタミンB1が消費される上に、アルコールがビタミンB群の吸収を抑制したり排泄を促進したりすることが知られています。
食事中や食後に、ビタミンB群を積極的に摂取し、水を飲むということも、アルコールの分解や排泄を促してくれますよ。

★日本ではあまりハーブとして認識されていないタンポポですが、ファイトケミカルスが豊富で、肝臓の機能を助けたり、コレステロールや血糖値を下げたり、利尿作用があるなど、飲酒や外食の時に摂取すると良いです。

マリアアザミの種子には「シマリン」と呼ばれるファイトケミカルスが多く含まれていて、傷ついた肝細胞の修復を助けるとされています。ヨーロッパでは2,000年以上も前から、肝臓の疾患に対して利用され、近年では肝機能改善のためのサプリメントとしても販売されています。

私も、飲酒が多い季節は、タンポポやマリアアザミも含まれているウコンのサプリメントを摂っています(^^)

図で示していたように、アルコール分解過程で、活性酸素も多く発生します。
抗酸化作用の高いファイトケミカルスも積極的に摂取したいですね。

※とはいえ、飲み過ぎには注意してくださいね!

ウコンを摂取するときの注意点

どのように作られたものですか?

肝機能を助けようと思ってウコンを摂る。しかし、肝臓に負担をかける添加物が満載。
これでは、何をしたいのかがわかりません。

サプリメント・粉末・お茶で摂取する場合は、農薬たっぷりで栽培されたウコンか有機栽培されたウコンか、どのように製品化されているか、どのような基準値で製造されているか、トレーサビリティなど、安全性の高いものを選びましょう
飲料は、原材料名を見てもらうと一目瞭然ですが、ブドウ糖液や甘味料が多く含まれていますね。また、ホームページや製品説明を閲覧しても、原材料を確認することができないことが多いので、不明瞭な部分が多いです。

すでに肝機能が低下している方

ウコンにはミネラルも豊富であり、鉄分も多く含まれています。
すでに肝機能が低下して鉄制限食療法を行なっている方は、ウコン含有の鉄分が肝臓に過剰な影響を与えることもあるので、注意が必要です。

抗凝固剤(ワーファリンなど)を服用している方

クルクミンにも、血小板凝集抑制作用があるため、抗凝固剤の薬理効果が増強される可能性があります。
抗凝固剤を服用している場合は、ウコンを摂取する前に医師に確認しましょう。

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