重症児デイサービスを立ち上げた母親達から「なければ創ればいい!」精神のヒントをたくさんいただきました。

気ままなコラム

私が通っていた幼稚園で障がい児と共に過ごしたことや、
看護師として何をしたいのか迷路に迷い込んでいた時期に、Aちゃんとその家族と出逢ったことから、
医療職者によるサポートを必要とする子供たちとその家族の存在が、
私の中で大きくなりつつありました。

医療的ケア児の看護に興味があると、ある看護師に話したところ、
NPO法人 Solways(ソルウェイズ)の宮本佳江さんを紹介していただきました。

宮本佳江さんの記事も載っているので、この本を買って読んでみたのですが、重症児デイサービスを立ち上げた方々からもらえるエネルギーが強かったので、紹介していと思います。

「重症児デイサービス」って、なに?

医療職者でも知らない人が多いんです。
私も、2〜3年前までは知りませんでした。

先天性のもの、遺伝的なもの、出産時の影響、進行性の疾患、ウイルスや細菌の影響、事故、などなど様々な要因でなんらかの障がいがあり、みなさんが「幼稚園」「保育園」と聞いて思い浮かべるような「幼稚園」「保育園」には通えない子供たちが多くいます。
病院や入所施設で暮らしている子も多くいますが、自宅で家族と共に生活している子もとても多いのです。

例えば、
てんかん発作が頻繁に起きる子
骨が弱いのでちょっとした刺激で骨折してしまう子
深く眠ると呼吸を休んでしまう子
痰の吸引が必要な子
飲み込むことができないので胃瘻がある子
気管切開をして人工呼吸器をつけている子
などなど、
目を離すことのできない子を、お母さんは、自宅で育てています。

冒頭に紹介したAちゃん(気管切開、支援していたのは幼児〜小学校低学年の時期)が発熱した時や、Aちゃんママの出張時には泊まりに行ってました。

私になら頼めるとAちゃんママが言ってくれたので、気管切開しているAちゃんのシャワーも何度かお手伝いしましたが、気管切開孔から水が入らないように注意しながらの数十分は、とても神経を使うものでした。風邪をひいて痰が多くなっているAちゃんの横で寝るときは、Aちゃんが寝返りを打つたびに目が覚めます。いてくれるだけで安心だから寝てて大丈夫と言われても、何度もハッと目が覚めます。
Aちゃんママは、私が想像していた以上に心身ともに休まらない日々を過ごしているということを、目の当たりにしました。

私も実際に重症児デイサービスに行ってみて初めて、重症児デイサービスの大枠がぼんやり見えたかなというくらいです。
「重症児デイサービス」という言葉を初めて聞いた方は、保育園のような内装をイメージしてください。そこに、医療者のサポートが必要となる子達が通ってきて、必要な処置をしつつ、保育士さんによる活動もあり、夕方には自宅に帰っていく。
ゆっくり休息を取れないどことろか、まとまった睡眠時間も取れないお母さん方にとって、安心して子供を預けることができる時間帯は、休息の時間だったり、家事や用事を済ませられる時間だったり、自分の時間をつくれたりします。

Aちゃんの幼稚園の付き添いはAちゃんパパの担当だったのですが、私が週2回付き添いをするようになったときに、送迎をしてくれていたAちゃんパパから「主夫をしながら毎日幼稚園にも付き添っていたら、時々気が狂いそうになる時がある。週1回でも2回でも、数時間、自分だけの時間ができてから、そういうことがなくなった。この時間は本当にありがたい。」と言われたことがあったと思い出しました。

この本を読んで、感じたこと

この本には、重症児のお母さんが、重症児デイサービスを立ち上げたエピソードが紹介されています。

Aちゃんが風邪をひくたびに、不安や恐怖のなかでの看病の精神的負担と、寝不足による身体的負担で、ぐったりしながらなんとか頑張るAちゃんママを、何度も見てきたので、
重症児と家で暮らすほんの一部が書かれているだけでも、その壮絶さに、思考回路が止まりそうになりました。

様々な面で、私達が想像するよりも何倍も大変な思いをしてきていると思いますが、重症児の母親のエピソードは、力強くも優しいエネルギーを感じました。

10年ちょっと看護師として経験させてもらってきた中で、
「こんなことができたらいいな」
「こんなニーズがあり、そのニーズは専門職によって供給することができるはずなのに、今の制度ではニーズが満たされていない」
「どうやったらこの妄想を実現させられるのか」
ということを、現実的に考えるようになったタイミングで、この本を読んだので、「なければ創ればいい!」という考え方にとても共感できました。

この本の後半には、重症児デイサービス事業を始める基本的なノウハウが書かれています。
事業を立ち上げた経験なんてない重症児のお母さん達がデイサービスを立ち上げているエピソードと、後半に書かれているノウハウは、新しい事業を考えている人にかなり大きな勇気を与えてくれます。

重症児デイサービスを立ち上げるわけではないですが、「なければ創ればいい」精神や、何かを立ち上げるということを全くしたことのないお母さん達が、重症児の育児・介護をしながらデイサービスを開設してきたという事実から、かなり大きなエネルギーをいただきました。

子育て中・介護中のお母さん・お父さん
障害児に関わる仕事をしている方
医療・福祉の分野で新しい事業を考えている・スタートした方
に、おすすめです!

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